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和歌山市和歌浦のパーソナルジム「Titanium Fitness Gym」代表の石川翔です。
トレーニングを久しぶりに再開して、以前と同じ感覚で頑張っている方はいらっしゃいませんか。
先日、当ジムで2年ぶりにトレーニングを再開された会員様がいらっしゃいました。モチベーションが高く、デッドリフトも下半身のメニューもしっかりこなされていたのですが、1ヶ月ほど経った頃に、お身体に「異変」が起こりました。
最終的に出てきた症状が、頭痛でした。
この記事では、実際の経過と原因、当ジムで行った対応、ご自身でできるケアまでをお伝えします。あわせて、「様子を見てよい頭痛」と「すぐに病院へ行くべき頭痛」の見分け方も解説します。ここは安全に関わる部分なので、必ず目を通してください。
【目次】
1. 現場で実際に起きたこと
2. なぜ筋トレを頑張ると頭痛が起きるのか
└ 首こりが「目の奥の痛み」に変わる理由
3. 【重要】放置してはいけない頭痛の見分け方
4. 当ジム併設の接骨院で行った対応
5. 自分でできるセルフケア
6. 次に同じことを起こさないための予防策
7. 「運動はしない方がいい?」の答え
8. よくあるご質問
再開から1ヶ月ほど経った頃、次のような変化が順番に出てきました。
また、首や肩の緊張が強い方では、これに加えて「目の奥がズーンと重い」「まぶしく感じる」といった訴えが出ることも少なくありません。一見すると眼精疲労のようですが、原因が首にあるケースがあります。理由は後ほど解説します。
デッドリフトなどで高重量を扱い、背中と下半身を続けて酷使した結果、疲労が抜けきらないまま次のトレーニングに入る状態が続いていたことが背景にありました。
「筋トレなのに、なぜ頭が痛くなるのか」と不思議に思われるかもしれません。実は、筋トレ後の頭痛にはいくつかの経路があります。今回のケースで主役になったのは、次の連鎖です。
★ここに図1のimgタグ(元記事からそのままコピー)★
図1|疲労が「頭痛」に変わるまでの連鎖
トレーニングの疲労が抜けないと、背中や股関節まわりの筋肉が硬くなり、可動域(動かせる範囲)が落ちます。
股関節や胸椎が十分に動かない状態で高重量を持ち上げようとすると、身体は足りない動きをどこかで補おうとします。その「どこか」が、多くの場合は首と肩です。
結果として肩がすくみ、巻き肩・いかり肩が強くなります。そして頭が前に出た姿勢、いわゆるストレートネック(前方頭位)の状態に近づきます。
頭の重さは体重の約1割、成人でおよそ5〜6kgあります。これが前に出るほど、後ろ側の筋肉は「倒れないように引っ張り続ける」仕事を強いられます。ストレートネックの詳しい仕組みはこちらの記事でも解説していますが、デスクワークだけでなくトレーニングの疲労からも同じ状態が起こり得るという点が、今回のポイントです。
この姿勢が続くと、後頭部の付け根にある後頭下筋群や僧帽筋上部が持続的に緊張し、後頭部から側頭部にかけての頭痛につながります。医学的には緊張型頭痛や頸原性頭痛と呼ばれる種類のものです。
本来は姿勢を良くするためのトレーニングなのに、疲労が溜まりすぎると逆に姿勢が崩れてしまう。ここが落とし穴です。
「肩と首が凝ってくると、目の奥が痛くなる」。現場でよく伺う訴えですが、これには神経の配線による明確な説明がつきます。
顔の感覚を担う三叉神経のうち、第1枝(眼神経)は眼窩からおでこにかけてを支配しています。そして、この三叉神経第1枝の神経線維と、首から来る頸神経(C1・C2)の線維は、脊髄の上部で同じ神経細胞に接続していることが分かっています。
つまり、後頭部の神経(大後頭神経)が興奮すると、その信号が三叉神経第1枝の領域に伝わってしまう。脳は痛みの出どころを取り違え、「目の奥の痛み」「目の疲れ」「まぶしさ」として感じさせるのです。これは大後頭神経三叉神経症候群(GOTS)と呼ばれています。
つまり「目薬をさしても、目を休めても改善しない目の奥の痛み」は、首を疑ってみる価値があります。実際、後頭下筋群をゆるめると目の症状まで軽くなる方は珍しくありません。
※ ただし目の奥の痛みは、緑内障・副鼻腔炎・群発頭痛などでも起こります。とくに急激な目の痛みに視力低下や吐き気をともなう場合は緊急性が高いため、まず眼科を受診してください。
デッドリフトやスクワットで力を出すとき、無意識に奥歯を強く噛みしめていませんか。
食いしばりは咬筋・側頭筋を緊張させます。側頭筋はこめかみの上に広がる筋肉なので、ここが硬くなると、そのまま側頭部の頭痛として感じられます。顎に違和感が出ている方は、この経路を疑ってみてください。
高重量を扱うときは、どうしても息を止めて踏ん張る場面が出てきます。この息こらえは腹圧を高めて体幹を安定させる一方で、血圧を一気に上昇させます。
実際、重大な脳の異常がないにもかかわらず、激しい運動や力み・息こらえをきっかけに頭痛が起こる「一次性運動時頭痛」という分類があり、ベンチプレス・スクワット・デッドリフトなど高重量トレーニング中に起こりやすいことが知られています。
力を入れるときに息を吐き、戻すときに吸う。呼吸を止めないトレーニングを心がけることが予防になります。
見落とされやすいのがこれです。もともと片頭痛をお持ちの方は、疲労や脱水がきっかけで頭痛が誘発されることがあります。トレーニング中もこまめに水分を補給し、空腹の状態での筋トレは避けるのが無難です。
プレワークアウトドリンクを飲む習慣がある方は、カフェインの摂りすぎ、あるいは飲まなかった日の離脱症状も頭痛の原因になり得ます。
ここが、この記事で一番お伝えしたい部分です。
筋トレ後の頭痛の多くは、これまで説明したような筋肉の緊張によるもので、休養とケアで改善します。ただしごく一部に、緊急性の高い病気が隠れていることがあります。
★ここに図2のimgタグ(元記事からそのままコピー)★
図2|様子を見てよい頭痛と、すぐ受診すべき頭痛
■ 次の症状があれば、すぐに医療機関へ
□ 今までに経験のない、突然の激しい頭痛
□ 強い吐き気・嘔吐をともなう
□ 手足のしびれや、力が入らない
□ ろれつが回らない/物が二重に見える
□ 首が硬直する・発熱をともなう
これらに当てはまる場合は、鎮痛薬でごまかさず、速やかに脳神経外科を受診してください。
強く力んだり息を止めたりすると急激に血圧が上がり、脳の血管が一時的に収縮することがあります。多くは自然に軽快しますが、痛みが強烈である、何度も繰り返す、吐き気やめまいをともなうといった場合には注意が必要です。
私たちは柔道整復師・鍼灸師であり、脳の画像診断はできません。「これは筋肉の問題ではないかもしれない」と判断した時点で、迷わず医療機関をご案内します。それが専門職としての責任だと考えています。
今回の会員様は、上記の危険なサインには当てはまらず、明らかに背中・股関節・後頸部の筋緊張が強い状態でした。そこで、トレーニングの強度を一度落とし、ケアに切り替える判断をしました。
当ジムは鍼灸接骨院を併設しているため、「痛みが出たらそのまま隣で施術を受けられる」という環境があります。トレーニングとケアを同じ人間が一貫して見られるのが、この形の一番の利点です。
実際に行った施術は次の3つです。
あわせて、硬くなっていた腸腰筋(股関節の前側)にもアプローチしています。反り腰の状態で放置すると、姿勢の崩れがさらに進むためです。
数回のケアと強度調整で、頭痛は落ち着き、現在はトレーニングを再開されています。
併設|和歌の浦 翔鍼灸接骨院
「ぎっくり腰になりそう」「猫背がひどい」「肩甲骨の内側が痛い」「頭痛がする」「目の奥が重い」。こうしたサインを感じたら、まずトレーニングの強度を落としてください。そのうえで、次のケアを試してみましょう。
壁や柱に手のひらを当て、肘を軽く伸ばしたまま身体を反対側にひねります。胸の前が伸びる位置で30秒キープ。左右2セットずつ。巻き肩の直接の原因である大胸筋・小胸筋をゆるめます。
後頭部と首の境目、髪の生え際あたりを指の腹で押さえ、あごを軽く引いたまま小さくうなずく動きを10回。強く揉むのではなく、圧をかけて動かすのがポイントです。ここが今回の頭痛の震源地になりやすい場所です。
四つ這いになり、片手を後頭部に添えて、その肘を天井方向へ開くように胸を回します。左右10回ずつ。胸椎が動くようになると、首が代償する必要がなくなります。
シャワーだけで済ませている方は、ここを変えるだけでも変化が出ることがあります。
※ ストレッチやマッサージで痛みが強くなる場合は、すぐに中止してください。「気持ちいい」範囲を超えないことが原則です。
「疲労が溜まって痛くなるなら、運動しない方がいいのでは」と思われるかもしれません。
答えは明確に「NO」です。
何事もやりすぎれば疲労は溜まります。それは事実です。しかし、もし運動をやめてしまったらどうなるでしょうか。筋力の低下によって、反り腰や猫背は年齢とともに今よりもっとひどくなっていきます。頭痛の原因である姿勢の崩れは、運動をやめた先にこそ待っています。
大切なのは、やめることではなく「トレーニングで健康をつくりながら、たまに身体を労わってケア(リカバリー)を入れる」というバランスです。
今回の会員様も、運動をやめたわけではありません。強度を調整し、ケアを挟み、そして今も継続されています。
筋緊張によるものであれば、数時間から1日程度でやわらぐことが多いです。数日以上続く、あるいは日を追って強くなる場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
その日の高重量トレーニングは中止してください。ただし完全に動かないより、軽いウォーキングやストレッチで血流を保つ方が回復は早い傾向にあります。
おすすめしません。痛みは身体からの信号であり、薬で消した状態で高重量を扱うと、フォームの崩れに気づけず別の障害につながります。とくに原因がはっきりしない頭痛を薬で抑え続けるのは避けてください。
ブランクの長さや現在の状態によって変わります。当ジムでは初回に動きの評価を行い、可動域や左右差を見たうえで設定しています。自己流で「以前の重量」から入るのが、最もケガにつながりやすいパターンです。
問題ありません。むしろ、首を支える背中側の筋力が落ちている方が姿勢は崩れます。ただし種目の選び方と、トレーニング後のケアが前提です。首がすくんだままシュラッグやアップライトロウを重ねると、かえって後頸部の負担を増やします。当ジムでは可動域を評価したうえで、胸椎の動きを出す種目から入ることが多いです。
首の緊張が原因であれば、軽減が期待できます。ただし眼科的な病気が隠れている可能性もあるため、視力の変化や急激な痛みがある場合は、まず眼科で確認してからご相談ください。
マウスピースの使用や、意識的に舌を上あごにつけるといった方法があります。顎に痛みや音が出ている場合は、別途ご相談ください。
「最近、筋トレの疲労が抜けない」「どこかを痛めそうで怖い」「久しぶりに再開したいが、何から始めればいいかわからない」。
そう感じている方は、無理をする前にご相談ください。当ジムはパーソナルジムでありながら、会員様は24時間いつでも自主トレができる環境です。そして不調が出たときには、併設の鍼灸接骨院でそのままケアに移れます。
和歌山市で、トレーニングとケアの両方を同じ場所で受けられるジムは、そう多くありません。
【この記事を書いた人】
石川 翔(いしかわ しょう)
Titanium Fitness Gym 代表 / 和歌の浦 翔鍼灸接骨院 院長
柔道整復師(養成校を学年首席で卒業)・はり師・きゅう師。国家資格にもとづく身体の評価と、トレーニング指導の両方を一人で担当。プロゴルファーのコンディショニング帯同経験あり。和歌山市和歌浦にて、パーソナルジムと鍼灸接骨院を併設運営しています。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。症状には個人差があります。強い頭痛や神経症状をともなう場合は、必ず医療機関を受診してください。
Titanium Fitness Gym(タイタニウムフィットネスジム)
〒641-0022 和歌山県和歌山市和歌浦南3-9-1 FSビル1F
TEL 080-1450-6588