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公開日:2026年8月24日 | 監修:石川 翔(柔道整復師・はり師・きゅう師/パーソナルトレーナー)
和歌山市和歌浦のパーソナルジム「Titanium Fitness Gym(タイタニウムフィットネスジム)」代表の石川翔です。
「懸垂を自力で1回できるようになりたい」
当ジムでも、この目標を持って通われている方がたくさんいらっしゃいます。
では、マシンで何キロ引けるようになれば、懸垂が1回できるのか。
目安となる重量と、そこに最短で到達する練習法をお伝えします。あわせて、研究で分かっている意外な事実もご紹介します。
【 この記事の結論 】
目次
目次
懸垂は「自分の体重のほぼ100%」を引き上げる動作です。
背中のベース筋力を測る指標として、2つの種目で目安を持っておくと分かりやすくなります。
図1|10回引ける重量での目安です。1回だけ挙がる重量ではありません。
軌道が懸垂とほぼ同じなので、いちばん参考になる種目です。
体重60kgの方なら約45kg。これを10回引けるようになれば、懸垂1回の土台は整っています。
引く方向が違うので、そのままの比較はできません。ですが背中全体の筋力の目安になります。
体重60kgの方なら約36kg。こちらも10回が目標です。
かみ砕くと:どちらも「1回だけ挙がる重量」ではなく「10回できる重量」です。1回だけの記録で判断すると、実際より強く見積もってしまいます。
「ラットプルで体重分を引けるようになってから」と考える必要はありません。
ここが、多くの方が誤解している部分です。
図2|懸垂のほうが、体重に対して重い負荷を扱えています。
◎ 研究で測定されています
大学生の男女を対象に、懸垂とラットプルダウンの「1回だけ挙げられる最大重量」を測定した研究があります(Johnson ら, 2009年)。
男性の平均は、懸垂で体重の116%、ラットプルダウンでは93%。つまり、懸垂のほうが重い負荷を扱えていたのです。
また、この2種目の記録には強い関連が見られました(男性で相関係数0.78)。ラットプルの記録は、懸垂の力を推測する材料になります。
懸垂は両手をバーに固定して、体全体を動かす動作です。この形では、背中だけでなく体幹や下半身まで動員できます。
一方ラットプルダウンは、座って体を固定し、腕だけを動かします。使える範囲が限られるのです。
つまり、ラットプルで体重の75%が引ければ、懸垂1回には十分手が届いているということになります。
重量が足りていても、できないことがあります。
「ラットプルでは体重以上を引けるのに、懸垂は1回もできない」。この相談は本当によくいただきます。
図3|重量だけを追っても、この3つが揃わないと1回目は出ません。
懸垂では、全体重が手にかかり続けます。握力がわずかに落ちた瞬間に、バーから落ちてしまいます。
ラットプルダウンでは、握力が落ちてもバーが少し滑るだけで、引き続けられます。ここが決定的に違います。
背中より先に前腕が限界を迎えている方は、握力のトレーニングを足すだけで一気に進むことがあります。
ラットプルダウンは座って体を固定します。懸垂は空中で自分の体を支えなければなりません。
体幹が抜けると、体が前後に揺れて力が逃げます。引く力があっても、上がらない状態です。
当たり前のようですが、これは研究でも確認されています。懸垂の回数は、体重と逆の関係にありました。
そして絶対的な重量(何キロ引けるか)と懸垂の回数には、ほとんど関係がなかったという報告もあります。効いているのは「体重に対して何キロ引けるか」です。
かみ砕くと:同じ80kgを引ける2人でも、体重60kgの人と90kgの人では、懸垂のしやすさがまったく違います。
ダイエットと並行して進めると、懸垂は驚くほど早くできるようになります。体重が3kg落ちれば、引き上げる重さが3kg軽くなるからです。
できないことを、気にしないでください。
図4|女性の平均は、自分の体重を引けない水準にあります。
先ほどの研究では、女性の平均は懸垂で体重の73%でした。
つまり、平均的な女性は、自分の体重を引き上げられないという結果です。
「私だけできない」ではありません。統計的に、できないのが普通なのです。
だからこそ、できたときの価値が大きい
女性で懸垂が1回できるようになるのは、はっきりした達成です。
そして到達できないわけではありません。当ジムでも、できるようになった女性の会員様がいらっしゃいます。
ただ、男性より時間はかかります。そこを見込んで計画を組むことが大切です。
また、女性ではラットプルの記録と懸垂の力の関連が弱いという結果も出ています。数字だけで判断せず、実際の動きを見ながら進める必要があります。
重量トレーニングと並行して行うと、最初の1回が一気に近づきます。
図5|このうち、いちばん効果が大きいのは1番です。
ジャンプまたは台を使って一番上(あごがバーの上)まで行き、そこから3〜5秒かけてゆっくり降ります。
上げる動作より、降りる動作のほうが大きな力を発揮できます。だから、まだ上がらない段階でも、この練習は成立します。
クライマーを対象にした研究でも、降りる動作を重視した練習が懸垂の能力を高めたと報告されています。
3〜5回を3セット。週2〜3回が目安です。
バーを腰の高さに設定し、足を床につけたまま斜めに引きます。
足の位置で負荷を調整できるので、今の力に合わせられます。体を一直線に保つ練習にもなり、体幹の課題が同時に解決します。
トレーニングチューブを膝や足にかけ、下から支えてもらいながら引きます。
ただしこれに頼りすぎると、握力と体幹が鍛えられません。正しい軌道を覚える目的で使い、少しずつ細いチューブに変えていくのが正しい使い方です。
この記事で示した数字にも、注意して読むべき点があります。
◎ はっきりしていること
懸垂とラットプルダウンの記録には関連がある|男性では強い相関が確認されています
体重が軽いほど懸垂は有利|複数の研究で一貫しています
△ 注意して読むべきこと
女性では、ラットプルの記録と懸垂の関連が弱いという結果が出ています(相関係数0.44、統計的に有意でない)。数字だけで判断できません。
「体重の75%」「60%」という数字は、現場での目安です。この比率そのものを直接検証した研究があるわけではありません。
同じ重量を引ける人でも、握力・体幹・体重によって結果は変わります。あくまで目印として使ってください。
それでも目安を持つ意味はあります。何を目指せばいいか分からない状態より、進んでいるかどうかが分かるほうがいいからです。
併設|和歌の浦 翔鍼灸接骨院
肩や肘が痛い状態で続けないでください
懸垂で肩や肘を痛める方は少なくありません。痛みが出ている状態で無理に続けると、長引きます。併設の接骨院で状態を確認できます。
懸垂は、無理に上がろうとすると痛める種目です。
腕の力だけで体を引き上げようとすると、負担が肩や肘に集中します。
正しい順番は、まず肩甲骨を下げて、背中で引き始めることです。この順番が身についていないと、何回やっても腕のトレーニングになってしまいます。
こんなときは中止してください
筋肉の張りとは違う痛みが出た場合は、続けないでください。当院で状態を確認できます。
柔道整復師・はり師・きゅう師として体を診てきた立場から申し上げると、懸垂で痛める方の多くは「重量が足りない段階で、回数を稼ごうとした方」です。
順番を守れば、痛めずに到達できます。
今の自分が何キロ引けるのか、測ってみませんか
無料体験では、実際に測定したうえで、懸垂1回までの道のりをご提案します。「自己流で肩が痛い」という方も、まずフォームから確認します。
Q. 毎日やったほうが早くできますか?
A. おすすめしません。背中は大きな筋肉なので、回復に時間がかかります。週2〜3回が目安です。毎日やると、疲労が抜けないまま次に入り、かえって進みが遅くなります。
Q. ラットプルで体重以上を引けるのに、懸垂ができません。
A. よくあるご相談です。握力、体幹、体重のいずれかが原因である可能性が高いです。とくに握力は見落とされがちです。ぶら下がるだけの練習(デッドハング)を足すと、進むことがあります。
Q. 順手と逆手、どちらが先にできますか?
A. 一般的には逆手(手のひらが自分側)のほうが、上腕二頭筋を使いやすく先にできます。まず逆手で1回を達成し、その後で順手に進むのが現実的な順番です。
Q. 体重を落としたほうが早いですか?
A. はい。研究でも体重と懸垂の回数には逆の関係が確認されています。ただし、筋肉まで落としてしまうと逆効果です。筋肉を保ちながら体脂肪を減らす形で進める必要があります。
Q. 補助マシン(アシストチンニング)だけでもできますか?
A. 土台は作れますが、それだけでは足りないことが多いです。補助マシンは体が固定されるため、握力と体幹への負荷が小さくなります。ネガティブ懸垂を並行してください。
Q. どれくらいの期間でできますか?
A. 個人差が大きく、一律にはお答えできません。もともと引く力がある方なら数か月、まったく運動経験がない方だと半年以上かかることもあります。まず現状を測ることから始めましょう。
Q. 女性でもできますか?
A. できます。ただし研究のデータを見るかぎり、男性より時間がかかるのが自然です。焦らず、体重の管理と並行して進めるのが近道です。
懸垂は、できた瞬間がはっきり分かる種目です。
「1回できた」という日は、たいてい会員様のほうが先に気づいて、報告してくださいます。あの瞬間に立ち会うのが、この仕事のいちばん楽しいところです。
一緒に目指しましょう。
この記事を書いた人|石川 翔(いしかわ しょう)
Titanium Fitness Gym 代表/和歌の浦 翔鍼灸接骨院 院長。柔道整復師・はり師・きゅう師(いずれも国家資格)。3年制の医療系養成校を2つ修了し、柔道整復師は学年首席で卒業。女子プロゴルファー濱田茉優選手の全国ツアー帯同トレーナー、SB-1リーグ ワンリーズ和歌山のチームトレーナーを務めています。
医療国家資格保有トレーナーが常駐する、スポーツ科学に基づいたパーソナルジムです。
和歌山市(和歌浦・新和歌浦・雑賀崎・紀三井寺・宮前・秋葉町・和歌山市駅周辺など)を中心に、海南市・岩出市・紀の川市・有田市方面からもご来店いただいています。
まずは無料体験から
今の自分が何キロ引けるのか、測ってみませんか。
そこから、懸垂1回までの道のりをご提案します。
店名
Titanium Fitness Gym(タイタニウムフィットネスジム)
所在地
〒641-0022 和歌山県和歌山市和歌浦南3丁目9−1 FSビル 1F
電話
080-1450-6588
施設利用
24時間(パーソナルトレーニングは予約制)
体験
見学・体験トレーニング無料
併設
和歌の浦 翔鍼灸接骨院/駐車場完備
当ジムについて詳しく知りたい方はこちら
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的とするものではありません。効果や感じ方には個人差があります。痛みがある場合は、無理をせず医療機関にご相談ください。