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公開日:2026年9月9日/執筆・監修:石川 翔(柔道整復師・はり師・きゅう師)
こんにちは。和歌山市・和歌浦のパーソナルジム、Titanium Fitness Gym(タイタニウムフィットネスジム)です。
「糖質をしっかり抜いているのに、体重が落ちない」
短期間で結果を出さなければならない方から、いちばん多くいただくご相談です。結婚式まであと2か月、計量まであと3週間——期限がある方にとって、止まった1週間は取り返せません。
結論からお伝えします。この状態のとき、原因はほぼ一つです。脂質の摂取量です。
今回は、当ジムが期限のある方に実際にお伝えしている手順を、止まったときの調整まで含めてお話しします。
【この記事の結論】
1. 糖質を抜いて落ちるのは本当。ただし理由は「インスリンが下がるから」ではありません
2. 脂肪が分解されることと減ることは別。使われなければ、脂肪酸はそのまま元に戻ります
3. 体脂肪が燃えるのは、その日に必要な燃料に対して食事が足りていないときだけです
4. 糖質を抜いても落ちないときは、脂質が需要を埋めてしまっています
5. そこで脂の多い食材を脂の少ないものに替えて、体脂肪を使うしかない状態を作ります
6. この方法は、期限がある方にだけお伝えしています
最初にはっきりさせておきます。当ジムがこの食事法をお伝えするのは、期限がある方だけです。
結婚式や前撮りの日が決まっている
計量がある
その他、期日までに体重を落とさなければならない理由がある
短期間に集中して落とすための方法であって、一年中続ける食べ方ではありません。
お伝えしている内容は、次のとおりです。
▼ 糖質
果物、ごはん、パン、麺、菓子は避けていただきます。納豆や野菜に含まれる分は、気にしません。
▼ タンパク質
1食あたり20g以上を、3食。肉・魚・卵から摂っていただきます。
▼ 卵
アミノ酸からミネラルまで幅広く含まれるため、積極的にお勧めしています。
▼ 脂質
最初は制限しません。肉は好きに召し上がってください。魚の脂やMCTオイルは、意識して摂っていただきます。
▼ 野菜とビタミン
野菜を摂りつつ、可能であればマルチビタミンのサプリメントを併用していただきます。
この設計にはすべて理由があります。順にお話しします。
まず、世間でよく言われている説明から確認します。
「糖質を減らす → インスリンが下がる → 脂肪が燃える」
私も長くこの説明をしてきました。ですが、この説明は正確ではありません。研究者がこの仮説を正面から検証しており、結果は支持していませんでした。
では、なぜ実際には落ちるのか。理由は3つです。
食品群がまとめて消える:ごはん・パン・麺を外すと、丼もの、ラーメン、パスタ、菓子パン、お菓子、甘い飲み物が同時に選択肢から消えます。カロリーを数えなくても、食べる量が自動的に減ります。ここが最大の要因です。
食欲が下がる:糖質を抜いた状態では食欲が落ちることが実測されています。結果として、さらに食べる量が減ります。
最初の1〜2週で体重が動く:筋肉と肝臓のグリコーゲンと、それに結合していた水分が抜けます。2〜3kg動くことがあります。脂肪ではありませんが、期限がある方には大きな後押しになります。
この3つは、いずれも食べる量が減ることを経由しています。インスリンを経由していません。
「理由が違っても結果が同じなら、どちらでもいいのでは」と思われるかもしれません。ですが止まったときに、この違いが効いてきます。理由を取り違えていると、動かす場所を間違えるからです。
脂肪細胞の中では、脂肪が分解されることと、脂肪酸が中性脂肪に戻ることが、常に同時に起きています。
分解された脂肪酸には、行き先が2つあります。
エネルギーとして使われる → 体脂肪が減る
使われない → そのまま脂肪細胞に戻る
つまり、分解を増やしても、使う需要がなければ純減はゼロです。
さらに言えば、体脂肪が多い方ほど、もともとの分解速度は高いことが知られています。「分解が足りないから落ちない」という状況は、ほとんど起こりません。
では、体脂肪が実際に減るのはどんなときか。
その日に必要な燃料に対して、食事から入ってくる分が足りないときです。足りない分は、体に貯めてあるものから出すしかありません。それが体脂肪です。
ここを検証した研究があります。17名を代謝病棟に入院させ、食事を完全に管理したうえで、通常食からケトジェニック食に切り替えました。糖質は50%から5%へ。ただし摂取カロリーとタンパク質量は同じに揃えています。
インスリンは大きく下がりました。脂肪の酸化も増えました。ここまでは予測どおりです。
ところが体脂肪の減少は加速しませんでした。
理由はシンプルです。この試験では脂質を35%から80%へ増やしていました。燃やす脂肪は増えたが、食べる脂肪も同じだけ増えた。差し引きが動かなかったのです。
この結果は、当ジムの方法を否定するものではありません。この試験はカロリーを固定するという特殊な条件で行われました。現場でカロリーを固定する人はいません。むしろこの結果は、次の章の答えそのものになっています。
ここが本題です。
糖質はしっかり抜けている。それなのに体重が動かない。この状態のとき、ほぼ間違いなく脂質が需要を埋めてしまっています。
脂質は、同じ重さあたりのカロリーがタンパク質や糖質の2倍以上あります。少量で積み上がります。
脂の多い肉
ナッツ
チーズ
油を多く使った料理
マヨネーズ、ドレッシング
糖質を抜いた食事では、これらが主役になりがちです。そして「糖質を抜いているから大丈夫」という安心感が働きます。
結果、その日に必要な燃料が食事だけで足りてしまう。体脂肪を使う理由がなくなります。
分解は起きています。インスリンも下がっています。それでも減らないのは、この理由です。
当ジムでは、止まった方に次の調整をお願いしています。
脂の多い食材から、脂の少ない食材へ置き換えていただきます。肉か魚かではなく、脂の量で選びます。
▼ 減らすもの
バラ肉、ひき肉、皮つきの鶏もも、ベーコン、ソーセージ
揚げ物、調理に使う油、マヨネーズ、ドレッシング
ナッツ、チーズ
▼ 置き換え先
鶏むね肉(皮なし)、ささみ、赤身肉
白身魚、イカ、タコ、エビ
▼ 減らさないもの
青魚の脂(サバ、イワシなど)、MCTオイル
タンパク質の量は変えません。同じ量のタンパク質を、脂質の少ない食材から摂っていただくという形です。
こうすると、食事から入ってくる燃料が減ります。糖質はすでにほぼゼロですから、残りを埋められるのは体脂肪だけになります。
体脂肪を使うしかない状況を、意識して作りにいく。これが、止まったときの答えです。
ただし、青魚の脂とMCTオイルは残します。脂を落としていく過程でも、ここは最後まで残しておきたい種類の脂だからです。
最初から脂質まで細かく制限すれば、もっと早く落ちるのではないか。そう思われるかもしれません。
そうしない理由は、続かなければ意味がないからです。
糖質を抜き、脂質も抜き、量も数える。この状態を、短期間とはいえ続けられる方は多くありません。途中でやめてしまえば、期限には間に合いません。
だから最初は「肉は好きに召し上がってください」とお伝えします。ストレスを減らして、まず走り出していただく。そして止まったときに、初めて脂質に手をつけます。
順番の問題です。最初から全部を絞るのではなく、効く順に一つずつ動かします。
脂質を下げていく場合も、ゼロにはしません。理由があります。
急激に体重を落としている間は、胆嚢が収縮しにくくなり、胆石ができやすくなることが知られています。脂質を摂ると胆嚢が収縮するため、これが予防になります。
超低カロリー食での比較研究では、1日の脂質を3.0gにした群は11人中6人(54.5%)に胆石ができ、12.2gにした群は誰にもできませんでした。
魚の脂やMCTオイルを残すのは、この理由もあります。
脂質を下げていく場面でも、タンパク質は減らしません。1食20g以上を3食、維持していただきます。理由は2つあります。
赤字が深くなるほど、体は脂肪だけでなく筋肉も削ります。筋肉が落ちると体重計の数字は早く動きます。
ですが、肩や背中の張りが抜け、ドレスやスーツの見え方は悪くなります。数字が落ちても、結婚式に間に合わせた意味がありません。
タンパク質は、消化と吸収の過程でそのカロリーの20〜30%が熱として使われます。同じカロリーを摂っても、脂質や糖質より体重への影響は小さくなります。削る優先順位としては、最後です。
なお、インスリンを分泌させるのは糖質だけではありません。タンパク質もインスリンを上げます。ホエイプロテインは、白パンより高いインスリン応答を起こすことが報告されています。
つまり「インスリンを下げること」を目標にしてしまうと、タンパク質まで制限対象になってしまいます。目標の置き方が違う、ということです。当ジムが見ているのはインスリンではなく、入ってくる燃料と出ていく燃料の差です。
はっきり書きます。
期限がない方には、この方法をお勧めしていません。
短期間に集中して落とすための方法です。一年を通した健康的な食べ方ではありませんし、そのつもりで設計していません。特に理由なく体を絞りたい方には、糖質を極端に減らさない、続けられる形をご提案しています。
ご自身だけで進めることも、お勧めしていません。
止まったときにどこを動かすか、どこまで下げてよいか、いつ戻すか。この判断が必要です。体調、月経、筋量の落ち方を見ながら調整します。この記事に書いた手順は、その判断があって初めて機能します。
服薬中の方、糖尿病その他の疾患をお持ちの方
必ず主治医にご相談ください。自己判断で食事を大きく変えないでください。
減量中は、体の不調も出やすい時期です。関節の痛みや張り、慢性的な疲労感が出たときは、トレーニングを止めるのではなく、まず状態を確認してください。当ジムは鍼灸接骨院を併設しており、必要なときだけ相談できる体制にしています。
併設|和歌の浦翔鍼灸接骨院
◎ はっきりしていること
カロリーとタンパク質を揃えると、糖質と脂質の比率を変えても体脂肪の減り方に大きな差は出なかった(Hall 2016、17名・代謝病棟)
脂肪が分解されることと減ることは別で、使われなければ元に戻る
急な減量中の胆石は、脂質摂取で予防できる(3.0g群 54.5% 対 12.2g群 0%)
△ 注意して読むべきこと
「落ちない原因は脂質」は、最も多い原因であって、すべてではありません。実際の食事量が思っていたより多かった、活動量が落ちていた、といった場合もあります。まず記録を取ることをお勧めします。
この分野は決着していません。カロリーを固定した比較で差が出なかったことに対し、反対の結果を示した研究(Ebbeling 2018・BMJ)もあり、研究者間で議論が続いています。
当ジムの現場経験は統計ではありません。ここで結果が出たことは、この方法が最善であることの証明にはなりません。
期限が決まっている方へ
残り期間と目標から逆算して、どこまで落とすか、どの順番で動かすかを一緒に決めます。無理をさせる時期と、緩める時期の判断も含めてお預かりします。無料体験ではヒアリングと体験トレーニング、質疑応答まで行います。その場で入会を決めていただく必要はありません。
Q. 糖質を抜いているのに落ちません。何から見直せばいいですか?
A. まず脂質です。脂の多い肉、ナッツ、チーズ、調理油、マヨネーズやドレッシングを1週間だけ見直してください。タンパク質は減らさず、脂の多い食材を脂の少ないものに替えるだけでも変わります。
Q. どのくらいの期間やる方法ですか?
A. 期限に合わせて設計します。一年中続ける食べ方ではありません。目標に届いたら、食事を戻していく期間を必ず作ります。
Q. 脂質はゼロにしたほうが早いですか?
A. お勧めしません。急な減量中は胆石ができやすく、脂質を摂ることで胆嚢が収縮して予防になります。研究では1日3.0gの群で11人中6人に胆石ができ、12.2gの群では誰にもできませんでした。魚の脂やMCTオイルは残します。
Q. 野菜や納豆の糖質は数えますか?
A. 数えません。避けていただくのは果物、ごはん、パン、麺、菓子です。野菜はビタミンのために、むしろ摂ってください。
Q. なぜ卵を勧めるのですか?
A. アミノ酸のバランスがよく、ミネラルも幅広く含まれるためです。短期間の食事制限では栄養が偏りやすいので、卵は使いやすい食品です。
Q. サプリメントは必要ですか?
A. 野菜を摂っていただいたうえで、可能であればマルチビタミンを併用していただきます。短期間で食事の幅が狭くなるためです。
Q. 筋トレはしたほうがいいですか?
A. してください。落とす局面ほど、筋肉を守る作業が必要になります。当ジムでは体の状態を確認しながら組み立てます。
糖質を抜いて落ちるのは本当。ただし理由はインスリンではなく、食べる量が減ること
脂肪の分解と減少は別。使われなければ元に戻る
体脂肪が燃えるのは、食事が需要に足りていないときだけ
糖質を抜いても落ちないときは、脂質が需要を埋めている
止まったら、タンパク質を保ったまま脂の多い食材を脂の少ないものに替える
脂質はゼロにしない。胆石を防ぐため
タンパク質は最後まで削らない。守りたいのは体重ではなく見た目
この方法は、期限がある方にだけお伝えしています
執筆・監修
石川 翔(いしかわ しょう)
Titanium Fitness Gym 代表/和歌の浦翔鍼灸接骨院 院長
柔道整復師・はり師・きゅう師。3年制の医療系養成校を2つ修了(柔道整復師は学年首席で卒業)。プロゴルファー 濱田茉優選手のコンディショニング、SB1リーグ所属・Bリーグ入りを目指すバスケットボールチーム ONELYS wakayama のチームトレーナーを務める。
Titanium Fitness Gym
所在地 〒641-0022 和歌山県和歌山市和歌浦南3丁目9−1 FSビル 1F
電話 080-1450-6588
駐車場 無料隣接駐車場14台
特徴 医療系国家資格者が指導/会員は24時間利用可/鍼灸接骨院を併設
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療・栄養指導に代わるものではありません。ここで紹介した食事法は、期限がある方に対して当ジムが体の状態を確認しながら行っているものです。糖尿病その他の疾患をお持ちの方、服薬中の方、妊娠中・授乳中の方が食事内容を大きく変更される場合は、必ず主治医にご相談ください。研究結果の解釈には幅があり、引用した文献の一部については研究者間で見解が分かれています。