関節リウマチに運動は良い?「安静が一番」は昔の話|医療国家資格トレーナーが解説【和歌山市のパーソナルジム】

公開日:2026年9月3日 | 監修:石川 翔(柔道整復師・はり師・きゅう師/パーソナルトレーナー)

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的とするものではありません。関節リウマチの方が運動を始める際は、活動期(炎症が強い時期)などを考慮する必要があるため、必ず事前に主治医の許可を得たうえでお読みください。

和歌山市和歌浦のパーソナルジム「Titanium Fitness Gym(タイタニウムフィットネスジム)」代表の石川翔です。

先日、当ジムに通われているお客様から、とても嬉しいご報告がありました。
6月に血液検査を受けられたのですが、「そこから2ヶ月経って、リウマチの数値が良くなっていた!」とのことです。

もちろん、まだ2ヶ月という短い期間ですので、「これが100%トレーニングのおかげです!」と完全に断定することはできません。お薬での治療との相乗効果によるものが大きいはずです。

しかし、医学的な観点から見ても、定期的なトレーニングがリウマチの数値改善や痛みの軽減に良い影響を与えている可能性は十分にあります。今回はこの嬉しいご報告にちなんで、「運動と関節リウマチの良い関係」について、研究データも交えながら解説します。

【 この記事の結論 】

  • リウマチは「安静が一番」は昔の話。2018年のEULAR(欧州リウマチ学会)推奨、2022年のACR(米国リウマチ学会)ガイドラインで、運動はお薬と並行して行う治療の一部として推奨されている
  • 運動には「抗炎症作用」「関節の保護」「こわばりの解消」の3つのメリットがある
  • リウマチの方28名を対象に週2回・24週間の段階的な筋力トレーニングを行った試験では、筋肉量と身体機能が安全に回復した
  • ただし「活動期」(熱感・腫れ・安静時の痛み)は負荷を落とすのが鉄則。その日の関節の状態を見極めて負荷を調整する専門知識が必須
  • 今回のお客様は血液検査から2ヶ月で数値が改善。主役はお薬だが、運動が良い方向に働いた可能性は十分にある

1. なぜトレーニングがリウマチに良いのか?

かつて、関節リウマチといえば「関節が変形しないよう、とにかく安静にするのが一番」と言われていた時代もありました。

しかし現在では、良いお薬(生物学的製剤など)が開発され、炎症をコントロールしやすくなったことで、治療と並行して「適切な運動」を行うことが症状の改善や生活の質の向上に非常に有効だとされています。欧州リウマチ学会(EULAR)は2018年に「身体活動は標準的な治療の一部であるべき」という推奨を出し、米国リウマチ学会(ACR)も2022年に、お薬と並行した運動を強く推奨するガイドラインを公表しています。具体的には、以下のような効果が期待できます。

運動が関節リウマチに良い3つの理由(炎症マーカーの低下・筋肉が天然のサポーターになる・血流改善とこわばりの解消)を示した図
▲ 3つとも「お薬の治療と並行して行う」ことが前提です

① 炎症マーカーの低下

筋肉を動かすことで、筋肉から「マイオカイン」と呼ばれる特殊な物質が分泌されます。これには全身の抗炎症作用を高める働きがあるとされ、定期的な運動を続けることで、CRPなどの炎症を示す数値が低下しやすくなることが報告されています。

② 筋肉が「天然のサポーター」になる

リウマチによって関節がダメージを受けると、それを支える力が弱くなり、さらに痛みが悪化するという悪循環に陥ります。筋力トレーニングで関節周りの筋肉をしっかり鍛えることで、筋肉が関節への負担を肩代わりする「天然のサポーター」となってくれます。これにより、日常生活での動作が格段に楽になります。

③ 血流改善と「こわばり」の解消

関節を動かさないでいると、周囲の組織が硬くなり血流も滞ります。安全な範囲で身体を動かし、全身の血流を促進することで、リウマチ特有の「朝のこわばり」や関節の動かしにくさが和らぐ効果が期待できます。

2. 「活動期」は無理をしない、「落ち着いている時期」に動く

運動がリウマチに良いとはいえ、やみくもに重いものを持ち上げたり、痛みを我慢して動かしたりするのは逆効果です。ポイントは、その日の関節が「どちらの状態にあるか」でやることを変えることです。

関節リウマチの活動期と落ち着いている時期で、運動の内容をどう変えるかを並べて示した図
▲ 「休む」と「まったく動かさない」は違います

活動期(炎症が強い時期)のサイン

関節が熱をもっている、腫れている、動かしていなくても痛い、朝のこわばりがいつもより長い。こうした日は炎症が強まっているサインです。この時期に関節へ負荷をかけると、痛みや腫れが悪化することがあります。

活動期にできるのは、痛みのない範囲で関節をゆっくり動かす可動域運動や、関節に体重のかからない軽い運動まで。「休む」と「まったく動かさない」は違います。まったく動かさない日が続くと、筋力とこわばりの面で次の時期に響いてしまいます。

落ち着いている時期にこそ「貯金」をつくる

一方、炎症が落ち着いている時期には、段階的に負荷を上げる筋力トレーニングが可能です。リウマチの方28名を対象に、週2回・24週間の段階的な筋力トレーニングを行った試験では、筋肉量と身体機能が安全に回復したことが報告されています(Lemmey 2009)。

「活動期に落ちた分を、落ち着いている時期に取り戻す」。この繰り返しが、長い目で見た関節の保護につながります。

3. 医療資格者だからできる「安全なアプローチ」

Titanium Fitness Gymでは、柔道整復師・鍼灸師という医療系国家資格を持つトレーナーが、その日の体調や関節の状態を正確に見極めながら、安全で適切な負荷を設定しています。具体的には、毎回のトレーニング前に次の流れで確認しています。

トレーニング前に関節の状態を確認し、炎症のサインがあれば負荷を落とし、なければ段階的に積み上げるという当ジムの判断フロー
▲ 大切なのは「今日は何をしないか」を決めること

炎症サインがある日は、予定していた種目をそのまま行うのではなく、負荷を落とす、部位を変える、あるいは併設の鍼灸接骨院でのケアに切り替える。こうした判断ができるのは、身体の状態を評価する医療系国家資格と、トレーニング指導の両方を担っているからです。

また、主治医の治療方針が常に最優先です。血液検査の結果や処方の変更があった際は共有いただき、それに合わせてメニューを調整しています。

併設 和歌の浦翔鍼灸接骨院

痛みが強い時は、まず身体のケアから

当ジムは鍼灸接骨院を併設しているため、関節の痛みやこわばりが強い日には、無理なトレーニングは行わず、手技や物理療法を用いたケアに切り替えることも可能です。主治医の治療と並行しながら、身体の状態に合わせたベストな選択をサポートします。

和歌山市の鍼灸接骨院和歌の浦翔鍼灸接骨院

4. 正直にお伝えします

「運動でリウマチが良くなる」と聞くと期待が膨らみますが、研究データが示していることと、まだ分かっていないことは分けてお伝えしたいと思います。

◎ はっきりしていること

  • 運動は関節を壊すどころか、筋力・身体機能・生活の質を改善する。EULAR(2018年)とACR(2022年)の両ガイドラインが、お薬と並行した運動を推奨している
  • 炎症がコントロールされているリウマチの方では、段階的な筋力トレーニングは安全かつ有効だった(Lemmey 2009・24週間の比較試験)
  • 運動が疾患活動性(炎症の指標を含むスコア)を下げる効果は、複数の試験をまとめた解析で「小さいが有意」と結論づけられている(Sveaas 2017)

△ 注意して読むべきこと

  • 数値改善の主役はお薬です。運動は「お薬の効果を支える土台」であって、お薬の代わりにはなりません。自己判断でお薬を減らすことは絶対にしないでください
  • 今回のお客様の変化は、2ヶ月という短期間の1例です。運動とお薬のどちらがどれだけ寄与したかは分けられません
  • マイオカインによる抗炎症作用の研究の多くは、健康な方や生活習慣病の方が対象です。リウマチの炎症に対する効果の大きさは、まだ研究の途上にあります
  • 「朝のこわばりが軽くなる」は多くの方が実感されていますが、数値で示した研究は限られています

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5. よくあるご質問

Q1. 主治医に何を確認すればいいですか?

A. 「筋力トレーニングを含む運動を始めてよいか」「避けるべき関節や動作があるか」の2点を確認してください。体験でどのような運動を行うかをご説明しますので、その内容を主治医にお伝えいただくのが確実です。

Q2. 活動期かどうかは、自分で見分けられますか?

A. 目安は「熱感」「腫れ」「安静時の痛み」「朝のこわばりが普段より長い」の4つです。迷う場合は主治医にご相談ください。ジムでも毎回トレーニング前に確認しますので、自己判断だけで動く必要はありません。

Q3. 筋トレで関節が壊れませんか?

A. 炎症がコントロールされている時期の段階的な筋力トレーニングは、関節を壊すどころか周囲の筋肉が関節を守ってくれます。ただし、正しいフォームと負荷設定が前提です。自己流で重いものを扱うことは避けてください。

Q4. どのくらいの頻度で運動すればいいですか?

A. ガイドラインでは、一般的な身体活動の推奨(中強度の有酸素運動を週150分程度、筋力トレーニングを週2回)がリウマチの方にも当てはまるとされています。ただし、これは「目標」であって「出発点」ではありません。まずは週1〜2回、短時間から始めて、身体の反応を見ながら増やしていきます。

Q5. 手や指に痛みがあっても筋トレはできますか?

A. できます。手指に負担がかかる「強く握る」動作を避け、下半身や体幹を中心にしたメニューや、握らずに行える種目を選びます。必要に応じて、手首や指を保護する補助具も使います。

Q6. 生物学的製剤を使っていても運動していいですか?

A. 多くの方が運動されていますが、可否の判断は主治医にお任せください。感染症にかかりやすい時期は体調を優先し、発熱があるときは運動をお休みします。

Q7. トレーニング中や翌日に痛みが出たらどうすればいいですか?

A. 翌日に持ち越すような関節の痛みや腫れが出た場合は、負荷が強すぎたサインです。次回は負荷を落として調整します。痛みが強い日は、併設の鍼灸接骨院でのケアに切り替えることもできます。痛みや腫れが長引く場合は、主治医にご相談ください。

6. まとめ|今後の経過が楽しみです!

  • 「安静が一番」は昔の話。現在はお薬+適切な運動が国際的なガイドラインで推奨されている
  • 運動には「抗炎症作用」「関節の保護」「こわばりの解消」の3つのメリットがある
  • 「活動期」は無理をせず、「落ち着いている時期」に段階的に積み上げる
  • その日の関節の状態を見極めて、「今日は何をしないか」を決めることが安全の土台
  • 数値改善の主役はお薬。運動はそれを支える土台であり、主治医の治療方針が常に最優先

今回ご報告いただいたお客様についても、この先トレーニングを継続していくことで、数値や体調がどう良い方向へ変化していくのか、引き続きしっかりとサポートしながら見守っていきたいと思います。

「関節に不安があるけれど、将来のために運動を始めてみたい」「自分に合った安全なトレーニングを知りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください!

参考文献

  1. Rausch Osthoff AK, Niedermann K, Braun J, et al. 2018 EULAR recommendations for physical activity in people with inflammatory arthritis and osteoarthritis. Ann Rheum Dis. 2018;77(9):1251–1260.
  2. England BR, Smith BJ, Baker NA, et al. 2022 American College of Rheumatology Guideline for Exercise, Rehabilitation, Diet, and Additional Integrative Interventions for Rheumatoid Arthritis. Arthritis Care Res (Hoboken). 2023;75(8):1603–1615.
  3. Lemmey AB, Marcora SM, Chester K, Wilson S, Casanova F, Maddison PJ. Effects of high-intensity resistance training in patients with rheumatoid arthritis: a randomized controlled trial. Arthritis Rheum. 2009;61(12):1726–1734.
  4. Sveaas SH, Smedslund G, Hagen KB, Dagfinrud H. Effect of cardiorespiratory and strength exercises on disease activity in patients with inflammatory rheumatic diseases: a systematic review and meta-analysis. Br J Sports Med. 2017;51(14):1065–1072.
  5. Pedersen BK, Febbraio MA. Muscles, exercise and obesity: skeletal muscle as a secretory organ. Nat Rev Endocrinol. 2012;8(8):457–465.

この記事を書いた人|石川 翔(いしかわ しょう)

Titanium Fitness Gym 代表/和歌の浦翔鍼灸接骨院 院長。柔道整復師・はり師・きゅう師(いずれも国家資格)。3年制の医療系養成校を2つ修了し、柔道整復師は学年首席で卒業。医療とトレーニングの両面から、疾患やケガに不安を抱える方の身体づくりを安全にサポートしています。

代表トレーナーの詳しいプロフィール >

7. 和歌山市和歌浦のパーソナルジム|Titanium Fitness Gym

医療国家資格保有トレーナーが常駐する、鍼灸接骨院を併設したパーソナルジムです。

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店名
Titanium Fitness Gym(タイタニウムフィットネスジム)

所在地
〒641-0022 和歌山県和歌山市和歌浦南3丁目9−1 FSビル 1F

電話
080-1450-6588

併設
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。運動の開始・継続の可否、お薬の服用については、必ず主治医にご相談ください。記事中のお客様のご報告は個人の経験であり、効果を保証するものではありません。