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公開日:2026年9月1日 | 監修:石川 翔(柔道整復師・はり師・きゅう師/パーソナルトレーナー)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的とするものではありません。側弯症の角度(コブ角)はレントゲンでしか測れません。まず整形外科で現在の状態を確認したうえで、本記事をお読みください。
和歌山市和歌浦のパーソナルジム「Titanium Fitness Gym(タイタニウムフィットネスジム)」代表の石川翔です。
「健康診断で軽度の側弯症(そくわんしょう)と言われました。ジムでウエイトトレーニングをしても大丈夫でしょうか」
当ジムでも、20代から30代の女性を中心によくいただくご相談です。多くの場合、痛みがあるわけではありません。「知らないうちに悪くなるのが怖い」「筋トレで悪化させたくない」という不安が先に来ている状態です。
先に結論をお伝えすると、側弯症だからトレーニングをやめたほうがよい、という根拠は見当たりません。ただし、ご自身のカーブの向きを確認しないまま重量だけを追いかけるのはおすすめできません。この記事では、研究で分かっていることと、まだ分かっていないことを分けて整理します。
【 この記事の結論 】
目次
目次
側弯症の重さは、レントゲンで測る「コブ角」という角度で表します。健康診断で「軽度」と言われた方の多くは、この角度が30度に届いていません。この30度が、その後の見通しを分ける目安になります。
アイオワ大学のWeinsteinらは、治療を受けなかった側弯症の患者102人・133本のカーブを、平均40.5年にわたって追いかけました。1983年に発表されたこの研究では、骨の成長が終わったあとも68%のカーブが進行していました。ただし、成長終了時点で30度未満だったカーブは、形にかかわらず進みにくかったと報告されています。最も進みやすかったのは50〜75度の胸椎のカーブでした。
かみ砕くと:「軽度」と言われた方が、今すぐ何かを我慢しなければならない状況にあることは、ほとんどありません。一方で「一生変わらない」と決めつけることもできません。年に一度でも角度を確認しておくと、変化があったときに早く気づけます。
なお、側弯症は若い人だけのものではありません。60歳以上の健康な方75人を調べた研究では、68%に10度以上のカーブが見つかっています。加齢にともなって背骨が変形して起こる側弯(変性側弯症)は、決して珍しいものではないということです。
大人の場合、骨の成長はすでに終わっています。そのため、トレーニングで「背骨を完全にまっすぐにする」ことを目標にはできません。当ジムでは、目的を次の3つに置いています。
当ジムでは、会員様のカーブの向き(胸椎が右に凸、腰椎が左に凸など)を医療機関の画像やレントゲンの所見で確認したうえで、次の3ステップでメニューを組み立てます。
側弯は、背骨が横に曲がるだけの変化ではありません。胸郭(あばら骨)のねじれをともないます。そのため、縮んでいる側の筋肉をストレッチでゆるめてから、つぶれがちな側の肺に空気を入れる呼吸を練習します。身体の内側から肋骨を広げていく考え方です。
この考え方は、シュロス法(Schroth method)という側弯症専用の運動療法で使われているものです。ドイツで生まれたこの方法は、成長期の患者さんを対象にした比較試験で、通常のケアだけの群より角度の面で有利だったと報告されています。ただし当ジムで行うのは、その呼吸と姿勢の考え方を参考にした練習であり、シュロス法そのものではありません。シュロス法は本来、認定を受けた療法士が体系的に指導するものです。
一般的な筋トレは、両手・両足を同時に動かします。ところがカーブがある状態でこれを行うと、使いやすい側だけが強く働き、差がそのまま残ることがあります。バーベルを担いだスクワットで、左右のどちらかに体重が乗りやすい方は珍しくありません。
そこで、片手や片脚だけで行う種目(ブルガリアンスクワット、片手のロウイングなど)を積極的に取り入れます。片側ずつ行えば、強い側が弱い側を肩代わりできません。当ジムでは弱い側から始めて、その回数に強い側を合わせるという順番にしています。
右手だけにダンベルを持って歩く種目(スーツケースキャリー、片手のファーマーズウォーク)を使います。右に重りを持つと身体は右へ倒れようとしますが、それに耐えるために左側の体幹が強く働きます。
これは感覚の話ではありません。トレーニング経験のある18人を対象に、片手にダンベルを持って12メートル歩く動作の筋電図を測った研究では、重りと反対側の外腹斜筋と中殿筋の活動が高まることが確認されています。左右対称の種目では届きにくい、身体を横に倒さないための支えを狙って鍛えられる種目です。
かみ砕くと:買い物袋を片手だけで持って歩くと、反対側の脇腹が疲れます。あの働きを、狙って安全な範囲で使うということです。左右で同じ距離・同じ回数を行うのが原則で、片側だけに偏らせることはしません。
インターネットで側弯症について調べると、「バーベルスクワットとデッドリフトは避けるべき」という記述と、「適切な指導があれば問題なく行える」という記述の両方が見つかります。正直にお伝えすると、どちらが正しいかを決められるだけの研究はありません。専門家の経験に基づく意見が分かれている状態です。
そのうえで当ジムの立場は、「種目そのものを禁止する」ではなく「姿勢を保てる範囲で行う」です。バーベルを担いだときに身体が片側へ流れる、腰に痛みが出る、呼吸が止まってしまう。こうしたサインが出るなら、その重さがまだ早いというだけのことです。ダンベルを胸の前で持つゴブレットスクワットや、片脚のスプリットスクワットに置き換えれば、同じ筋肉を安全に鍛えられます。
とくに大切なのは5番です。角度が変わったかどうかは、鏡や見た目では分かりません。レントゲンでしか測れないため、整形外科での確認だけは続けてください。トレーニングはその確認の代わりにはなりません。
併設 和歌の浦翔鍼灸接骨院
すでに腰や背中の痛みが出ている方へ
痛みが強い時期は、負荷を上げるより先に身体の状態を確認するほうが近道です。同じ建物に併設している鍼灸接骨院では、腰や背中の痛みに対して手技・鍼灸・物理療法からアプローチしています。トレーニングと並行して受けていただけます。
側弯症と運動の関係は、研究の量が世代によってまったく違います。ここを曖昧にしたまま「効きます」と言うことはできません。
◎ はっきりしていること
△ 注意して読むべきこと
それでも運動をおすすめするのは、側弯症そのものへの効果とは別に、筋力・骨密度・腰痛の予防といった面での利点がはっきりしているからです。「効くと証明されているから」ではなく、「悪くする根拠がなく、他の面で得るものが大きいから」というのが、現時点で誠実な言い方だと考えています。
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自分の背骨のカーブを知ることから始めませんか
左右差や動きのクセを確認したうえで、無理のない範囲からメニューを組み立てます。健康診断の結果やレントゲンの所見をお持ちいただけると、より具体的にご提案できます。見学だけでも問題ありません。
Q. 軽度の側弯症ですが、筋トレをしても大丈夫ですか?
運動を控えるべきという根拠は見当たりません。ただし角度や向きは人によって違うため、まず整形外科で現在の状態を確認し、痛みが出ない範囲から始めてください。当ジムでは、レントゲンの所見をお持ちいただければ、それを踏まえてメニューを組みます。
Q. 筋トレで背骨のカーブはまっすぐになりますか?
骨の成長が終わった大人では、角度を大きく戻すことは難しいと考えてください。成長期の患者さんを対象とした研究でも、6か月で3.5度という差です。目指すのは痛みの予防と左右差の改善です。
Q. バーベルスクワットは避けたほうがいいですか?
禁止する根拠も、まったく問題ないと言い切る根拠も、現時点ではありません。当ジムでは、姿勢を保てて痛みが出ない重さであれば行っていただき、身体が片側に流れるようなら重さを下げるか、ゴブレットスクワットやスプリットスクワットに切り替えます。
Q. 左右で挙がる重さが違うのですが、異常でしょうか?
側弯症の有無にかかわらず、左右差は誰にでもあります。問題になるのは、差が大きいまま両手の種目だけを続けて、強い側がさらに強くなっていく場合です。片側ずつの種目を組み合わせることで、差が広がりにくくなります。
Q. シュロス法の指導は受けられますか?
当ジムが行うのは、シュロス法で用いられている呼吸や姿勢の考え方を参考にした練習であり、シュロス法そのものではありません。認定を受けた療法士による体系的な指導をご希望の場合は、対応している医療機関をお探しになることをおすすめします。
Q. 整形外科に通っていますが、並行して通えますか?
問題ありません。主治医から運動について指示が出ている場合は、その内容をそのままお伝えください。指示の範囲内でメニューを組み立てます。判断に迷う内容があれば、こちらから運動を控えていただくこともあります。
Q. トレーニング中に腰が痛くなったらどうすればいいですか?
その日はその動きを中止してください。痛みを我慢して続ける理由はありません。痛みが数日続く場合や、脚のしびれをともなう場合は、トレーニングを再開する前に整形外科を受診してください。
側弯症があるからといって、身体を動かすことをあきらめる必要はありません。大切なのは、ご自身の背骨がどちらにどれくらい曲がっているのかを知ったうえで、それに合わせて負荷のかけ方を選ぶことです。「私にはどんなトレーニングが合っているのか分からない」という段階からで構いませんので、一度ご相談ください。看板犬のルージュと一緒に、お待ちしております。
■ この記事を書いた人
石川 翔(いしかわ しょう)
柔道整復師・はり師・きゅう師(国家資格)
Titanium Fitness Gym 代表トレーナー
和歌の浦翔鍼灸接骨院 院長
プロバスケットボールチーム「ONELYS Wakayama」チームトレーナー。プロゴルファーをはじめとするアスリートのコンディショニングを担当し、医療とトレーニングの両面から身体づくりをサポートしています。
医療の国家資格を持つトレーナーが常駐し、鍼灸接骨院を併設したパーソナルジムです。
■ 店舗情報
和歌山市(和歌浦・新和歌浦・雑賀崎・紀三井寺・宮前・秋葉町・和歌山市駅周辺など)を中心に、海南市・岩出市・紀の川市・有田市方面からもご来店いただいています。
当ジムについて詳しく知りたい方はこちら
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的とするものではありません。効果や感じ方には個人差があります。痛みがある場合は、無理をせず医療機関にご相談ください。